すとーる・まーじん

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アフターバーナ技術について(3)

(2)のつづきです。本稿では以下の2世代について述べます。

 ・第3.5世代:ターボファン+放射状フレームホルダ+ステルス(例:F119)
 ・第4世代:ターボファン+統合フレームホルダ(例:F135)

 ※第3.5世代及び4世代については文献ベース、画像等からの解析、個人の推察に基づくものであり、未だに世の中に公式資料として出ていないものであることから、技術的な確証はない。

 

◆第3.5世代「ステルスの登場」

 時代は進み「ステルス」が登場する。敵のレーダーをかいくぐる「ステルス」の概念は1960年代ごろからある程度意識され始めていたが、実用的なステルス機はF-117戦闘機が最初である。F-117は湾岸戦争でその真価を発揮し、敵の懐深くに潜り込み、重要施設等を次々に破壊した。しかしながら、このF-117は「戦闘機」ではあるものの亜音速飛行を行い、主に対地攻撃を行う攻撃機的な側面が強かった。そのため超音速飛行に必要なアフターバーナは備えておらず、独特のエンジン排気口を有する形態であった。アフターバーナを有するステルス機の登場はアメリカ空軍先進戦術戦闘機計画(ATF計画)によって開発が進められ、後にF-22として採用された「YF-22」及びその競争相手であった「YF-23」が最初である。ATF計画はF-15の後継として、空対空戦闘能力は勿論のこと、敵対空兵器による探知と被害を「観測性」と「優れた飛行速度」によって極限することを目標としたものであった。特にエンジンについてはその性能を決定付ける重要な要素であり、ステルスを実現し、かつ、高い空対空戦闘能力並びに優れた飛行速度という極めて困難な課題を高い次元で成立させる必要があった。F-22に搭載されているPratt & Whitney「F119」はこれらの要求に応えたエンジンであるが、空対空格闘性能及び優れた飛行速度は機体全体を含めた設計の結果であることから、本稿ではアフターバーナの観点から「観測性」についてのみ述べることとしエンジン性能等については別の機会に記述する。
 第3.5世代のアフターバーナは空力的に洗練された第3世代アフターバーナからさらに「観測性」について考慮されたエンジンを指す。現在、この世代に分類されるエンジンはPratt & Whitney「F119」及び同「F135」であるが、F135については更に進んだ技術が適用されている可能性があるため、「F119」が唯一である。
 第3.5世代のアフターバーナの特徴は以下の3つである。

 ・エンジンの系式は第2、3世代と同様のターボファンエンジン
 ・保炎方式は放射状
 ・観測性(observability)の低減

 F-22は初飛行から20年程が経過したが、搭載エンジンPratt & Whitney「F119」に関する公刊資料は皆無に等しく、ミリタリー推力、内部状態量(圧力比、燃焼温度等)、ジオメトリー等は未だに謎な部分が多く、F-22の調達終了に伴いPratt & WhitneyもF119も生産が終了している状況である。F119のアフターバーナはJay Miller氏の著書「Lockheed Martin F/A-22 Raptor(出版AeroFax)」に掲載されている資料が、一般に入手できる最も鮮明な画像であると思われ(図1)、その他は航空ショー等で撮影された写真が数枚程度あるのみである(図2)。話は前後するが、F119はそのプロトタイプとなったYF119というエンジンがあり、現在はライトパターソン空軍基地に展示されているが、こちらについてはやや疑問があり後述するものとする。 

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図1 F-22アフターバーナ部

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図2 F-22アフターバーナ部

 F119は観測性を抑えるため、特徴的な矩形ノズルを有し、側面/後方赤外線放射量を抑えるとともに、後方からの電波/赤外線による探知を極限するために高温部であり、反射源であるタービンが直視できない構造となっている。この技術は実際にJay Miller氏の著書(図3)から確認することができ、第3世代アフターバーナEJ200(図4)と比べるとその差は歴然である。

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図3 F119アフターバーナ部(拡大)

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図4 EJ200アフターバーナ部(拡大)

 では、これらの構造はどうなっているかというヒントが実は米国特許にある。United Technologies Corporation(UTC:Pratt & WhitneyはUTCの一部門である)によって2007年に取得された特許番号US7,195,456B2“TURBINE ENGINE GUIDE VANE AND ARRYS THEREOF”である。同特許の添付図を図5に示す。この特許では、タービンから出た排気を整流し、エンジン性能を向上することを目的としているが、その本質は観測性を低減することにあり、事実特許の項目でも“The vane may also cooperate with each other to restrict an observer's line of sight to planes upstream of the vane array.”とあり、その効果について明言している。つまり、この技術の適用により、F119は後方直線方向からの観測性を抑え、直視ができるであろう方向には実際にはエンジンダクトがあり、その結果あらゆる方向から高温部であるタービン部が検知されることを防いでおり、観測性を低減している。この概念はスティンガー等の脅威に対応するため、ヘリコプター用エンジン等にIRSとして採用されている。ただし、高温部に対応できるような有効な電波吸収材が技術的に困難であるため、レーダー波等に対する対策ではないと思われる。

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図5 US7,195,456B2(加工済)    

 F119のアフターバーナのフレームホルダは第3世代と同様に空力的に優れた放射状フレームホルダを採用しているが、その燃料供給方式及び着火方式は不明であるが、フレームホルダの根元から点火していると推察される。。そこでF119のプロトタイプであるYF119に注目する。YF119は先述のとおり、ライトパターソン空軍基地に展示されており、誰でもそのアフターバーナを覗きこむことが可能である(図6)。

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図6 YF119-PW-100L(2015年撮影)

 このエンジンは紹介文でYF119-PW-100L Augmented Turbofanと記載があり、YF-22の特徴である二次元矩形ノズルを確認することはできる一方、低圧タービンは直視でき、かつ、フレームホルダ及びスプレーバを確認することができない。しかしながら、YF-22の試験中の写真及び展示直後の写真を確認すると放射状フレームホルダを搭載していることが確認できる(図7)。そのため空軍基地に展示されているYF119-PW-100Lはこのフレームホルダが取り外されているのではないかと思われる。Patent5,230,214においてテールコーン部で逆流ジェットにより循環領域を生成し、フレームホルダを廃した構造であることも推察されるが、テールコーン部がネジ締結されていることから、高温部(火炎暴露部)になるとは考えにくく、フレームホルダが取り外されている状態と考えることが妥当であると思われる。

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図7 YF119PW-100L(展示直後) 

 一般に第5世代戦闘機として分類される戦闘機としてロシアのSu-57、中国のJ-20があるが、これら何れもタービン部は直視できることが確認されており、今後改良が進むものと推察される。

 

◆第4世代「統合フレームホルダ」

 アフターバーナの実用化以来、火炎の保炎方式には必ずフレームホルダが採用されてきた。フレームホルダは再循環領域を生成するために必要な構成品であるが、圧力損失が必ず発生する。特にアフターバーナを使用しない条件(ミリタリー推力まで)はエンジンの効率を低下させる要因でしかない。そのため、これまでにフレームホルダを採用することなく、再循環領域を生成する方式が数多く研究されてきた。代表的なものとしては、旋回流れ場を生成し見かけ上の速度を減速し連続燃焼させる方法、可変フレームホルダによりアフターバーナを使用しない条件で圧力損失を低減させる方法等が検討されてきた。特に旋回流れ場を生成する方式は「スワールオーグメンタ」と呼ばれ、1970年代に実際に試作され、当時最新のエンジンであったF100エンジンに組み込まれ試験が行われた(図8)。この試験では通常のオーグメンタに比べて最大推力が2%程低下したが、アフターバーナは問題なく作動し、安定燃焼領域が拡大した他、燃焼温度も数十℃低下し、排気放射レベルは半減する結果となった。その後の機種に適用された実績はなく、研究レベルで進んているように思われた。しかし、2016年の年の瀬に突如としてyoutubeF-35の後方視を捉えた動画が投稿された(図9)。

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図8 Swirl Augmentor(AIAA 74-1062)

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図9 youtubeに投稿された動画 

 どのような場面で撮影されたカットであるかは不明であるが、光の入り方、その形状を見るにフレームホルダとエンジン排気フレームが統合された「統合フレームホルダ」が採用されているのではないかと思われた。実際にAFRLではF135向けにAdvanced augmentor conceptとして優れた効率と低被観測性を追求したJTDEプログラムXTE67/1として研究を行なっていた(図10)。 

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図10 XTE67/1 Advanced augmentor concepts 

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図11 F110-129 アフターバーナ 

 この資料の中ではペリスコープに写るアフターバーナ内部の様子が掲載されており、その保炎の様子からフレームホルダを有さない「統合フレームホルダ」の研究を行っていることが推定されていた。例えば、フレームホルダが従来機と同様に独立して存在すると、フレームホルダの周囲を取り囲むようにその形状に従って強い循環領域が生成され、その形状の影がはっきりと写る(図11)。他方、XTE67/1では中心にいく程、その影が薄くなり、かつ、リーディングエッジ部(翼前縁)の形状は不明確である一方でトレーディングエッジ部(翼後縁)が鮮明であるこから、当初図9が出た際にスワールオーグメンタを採用しているかに思われたが、XTE67/1では翼面上の後部近傍から燃料を噴射し、トレーディングエッジ後流近傍に強い循環領域を生成していることが推察された。またスワールオーグメンタで得られた旋回場における知見についてもある程度反映されているものと思われる。
 この全く新しい循環領域の生成のメカニズムについて推察を行う。統合フレームホルダでは以下の2点について新しい技術を開発しなければならない。

 ・フレームホルダを廃することによる全く新しいコンセプトの循環領域生成メカニズムの開発
 ・新しいコンセプトに対応する燃料供給(スプレーバ)及び点火方法の開発

 これらを推察する上で非常に有効な手段が米国特許の情報取集、分析である。F119の際にも実配備から程なくしてIRステルスに関する特許が公開されたことから、同じくUTC Pratt & Whitneyによって関連特許が公開されていることが推察される。特に、F119の場合は海外に輸出することないため全てを社外秘とすることで特許として公開する必要はないが、F-35を含むF135エンジンは海外において生産される計画であることから関連する技術は比較的多く特許公開されることが容易に想像できる。そのため、F135エンジンに適用されている可能性のある特許情報を収集し整理を行う。

 先ず、関連する特許について羅列を行い、その後、個別に解説を行う。
 (特許年/特許番号/特許譲受人/件名)

 ・1995/US Patent 5,385,015/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR BURNER
 ・1997/US Patent 5,685,140/UTC Pratt & Whitney/METHOD FOR DISTRIBUTING FUEL WITHIN AN AUGMENTOR
 ・2007/US Patent 2007/0006590 A1/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR SPRAY BARS
 ・2010/US Patent 2010/0269508 A1/MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES,LTD./COMBUSTION BURNER
 ・2012/US Patent 8,209,987B2/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR PILOT
 ・2014/US Patent 2014/0338357 A1/UTC Pratt & Whitney/CAVITY SWIRL FUEL INJECTOR FOR AN AUGMENTOR SECTION OF A GAS TURBINE ENGINE

 

◇1995/US Patent 5,385,015/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR BURNER

 この1995年の特許ではフレームホルダ、燃料スプレーバ、排気ガイドベーン(EGV)、点火装置を初めて「統合」した特許であり、Pratt&Whitneyが取得している(図12)。これはEGVの翼後縁(トレーディングエッジ)に燃料マニホールドを内蔵し、主流のコア流れに対して垂直に噴射する、またファン(バイパス流)から分岐した空気を同様に噴射する。コア流れと燃料/空気のベクトル合成によりEGV後流には強い再循環領域が生成される。また、その点火方法はユニークであり、エンジンのテールコーン内部で燃料と空気の一部を燃焼させ、EGVのハブ側の付け根から全周方向に放射状に噴射し、着火させる。

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図12 US Patent 5,385,015(加工済)  

◇1997/US Patent 5,685,140/UTC Pratt & Whitney/METHOD FOR DISTRIBUTING

 97年の特許では若干構造がシンプルになったものが提案されており、循環領域のコンセプトについても示されている(図13)。この特許の中ではパイロットバーナについての記載はない。

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図13 US Patent 5,685,140(加工済)  

◇2007/US Patent 2007/0006590 A1/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR SPRAY BARS

 若干期間が開き、10年後の2007年に公開された特許では、燃料マニホールドの概要について初めて示された(図14)。燃料の供給系統が複数あり、アフターバーナの燃料供給レベルの自由度が高いことを示している。この特許では合わせて燃料マニホールドから放射状に伸びたスプレーバの各点に装備された燃料噴射器についての記載があり、圧力噴射弁であることが確認できる。F100エンジンやF110エンジンではエンジンの外部からアフターバーナ燃料を供給する方式であったが、この特許にて初めてアフターバーナ燃料をエンジンの内部(テールコーン側)から供給する方式の詳細が示された。

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図14 US 2007/0006590 A1(加工済)   

◇2010/US Patent 2010/0269508 A1/MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES,LTD./COMBUSTION BURNER

 2010年には三菱重工がスワール成分を持ったガイドベーン中で燃焼させる際のカーボンの堆積及び翼表面の過温度を抑制する特許を示している(図15)。本特許は以降に続く、Pratt&Whitneyの特許にも引用されているが、現在どの程度の関係性があるかは不明である。

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図15 US 2010/0269508 A1(加工済)  

◇2012/US Patent 8,209,987B2/UTC Pratt & Whitney/AUGMENTOR PILOT

 2012年にPratt & Whitneyが公開した特許では新しいパイロットバーナの方式が公開された(図16)。アフターバーナ燃料、空気の経路は同様であるが、図12において示したテールコーン根元とは異なり、テールコーン内部近傍で燃焼させたガスをEGV翼後縁に導き、全体的な着火性を高めている。 

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図16 US Patent 8,209,987B2(加工済)  

◇2014/US Patent 2014/0338357 A1/UTC Pratt & Whitney/CAVITY SWIRL FUEL INJECTOR FOR AN AUGMENTOR SECTION OF A GAS TURBINE ENGINE

 2014年にPratt & Whitneyが公開した最も新しい特許の一つでは燃料噴射器の形状がさらに洗練されている(図17)。この特許では従来圧力噴射弁であったものに対して、コア流れを利用した気流噴霧方式に変更されており、従来の特許に比べて、燃料噴射弁の個数を減らしより効率的に燃料を噴霧化しているものと推察される。本特許には点火方式、空気の導入について言及はなく、F-35の開発状況を踏まえると、当該技術の適用がギリギリだと思われる。また、特許はその実際の形状が比較的忠実に記載されていることが多く、同特許に添付されている図18はF135の想定断面図に近いものと思われる。 

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図17 US Patent 2014/0338357 A1(加工済)  

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図18 US Patent 2014/0338357 A1(加工済)  

 これらの特許情報を総合するとPratt & Whitneyでは最近20年で、従来、燃料噴射器(弁)(スプレーバ)、点火器、フレームホルダ(保炎器)として分割して存在していた構成品を「統合」した「統合フレームホルダ」の開発を行ったものと推察される。統合フレームホルダの開発により、フレームホルダによる圧力損失がなく、アフターバーナを使用/不使用に関わらず、従来のエンジンに比べ性能が向上している。また、統合フレームホルダはF-22で採用された、observability低減の構造と非常に相性が良く、アフターバーナ的にも、エンジン全体としても理想的な形態であると思われる。

 つい先日、三菱重工小牧において動画撮影されたF-35の離陸シーンがある(図19)。特許に関する情報を踏まえた上で、これと昨年youtubeに投稿された動画を比較すると、その形状が酷似していることが確認でき、F135エンジンには統合フレームホルダが適用されている可能性が高いことが判る。さらに図19を撮影した動画ではフレームホルダ近傍が不自然に明滅していることが確認でき、従来のアフターバーナのようにフレームホルダで生成された循環領域が存在しないと思われ、EGV表面において燃焼していることが推察される。

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図19 三菱重工小牧にて離陸するF-35  f:id:harune3:20171111200930p:plain

図20 特許図との比較  

  ごく一般的な流体解析ソフトウェアを使用し、統合フレームホルダの流れ場の簡易計算を行なった。この計算の目的はEGV後縁部から流れ場に対して垂直にジェットを噴射した場合にどのような流れ場が後流に生成されるかを目的としているものであり、実際には燃焼反応、主流の条件の見直しをする必要がある。

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図21 特許図との比較

 計算の結果、EGV後縁部からある程度の距離まで再循環領域が発生し、またテールコーン近傍では連続的な再循環領域を生成できる可能性があることが判った。連続的な再循環領域は従来のアフターバーナの環状部に相当し、燃焼安定性に寄与しているものと思われる。

 以上まとめると、第4世代のアフターバーナの特徴は以下の3つである。

 ・エンジンの系式は第2、3世代と同様のターボファンエンジン
 ・統合フレームホルダの採用
 ・観測性(observability)の低減

 

◆まとめ

 3回に渡ってアフターバーナの実用化以来、最新機種の推定までを行った。文才が無いため、わかりにくい箇所が多々あるかと思うが、航空機、アビオニクス、誘導兵器等の進化と同様にアフターバーナ単体での進化を紹介したつもりである。最新の第4世代アフターバーナではついに理想とする形態に近づいてきたように思われるが、統合フレームホルダは一つの解であり、必ずしも今後の戦闘機のスタンダードとなるものではない。エンジンに適用する技術は技術の成熟度は勿論のこと、航空機の仕様、レーダー等の脅威、エンジン全体の性能を総合的に判断して適用するものと思われる。

 これから我が国においてF-35の運用が始まるが、今回の分析はあくまでも文献ベースであり、間違いも多々あるかもしれない。通常訓練、航空祭等を経てより詳細な画像、情報が入手した場合には改めて記事を書きたいと思う。

 

参考文献

 F-35@misonor様撮影

 Jay Miller, "Lockheed Martin F/A-22 Raptor", ISBN 1 85780X , 2005

 AFRL, "IHPTET Brochure", http://my.fit.edu/~dkirk/4261/Lectures/ihptet_brochure.pdf

 関連特許(本文中に記載)

アフターバーナ技術について(2)

 第1回はアフターバーナの歴史、原理とその形式等について紹介したが、第2回は実機写真を交え適用されている技術について解説を行う。アフターバーナの代表的な性能指標は以下の5つと前回書いたが、互いに相反する要求であるものも存在する。アフターバーナの代表的な性能指標について改めて述べると、

 ・アフターバーナの燃焼効率が良いこと
 ・アフターバーナが安定して燃焼すること
 ・フレームホルダ、排気ノズル等における圧力損失が小さいこと
 ・軽量であり、小型であること
 ・応答性に優れること

 つまり、

 ・アフターバーナ内部において効率良く燃焼を行い、推力を発生させること
 ・幅広い飛行条件においてもアフターバーナが失火せず安定して作動すること
 ・空力的な損失を極小とすることで高い推力に寄与すること
 ・推力重量比に優れ、機体の一システムとして優れること
 ・パイロットの意のままにアフターバーナの操作ができること

 ということである。

 優れたアフターバーナをつくるためにはこれらの要求を高い次元で成立させる技術が必要があり、これまでに各国、各社がエンジン形式、保炎方式、点火方式、冷却方式、燃料供給方式、排気ノズル等様々なアフターバーナ関連技術の開発を行ってきた。

 本稿ではそれらの技術について、便宜上「エンジン形式」と「保炎方式」について分類した上で、解説を行う。これは外観からその技術変化を確認することができる形式・技術であり、かつ、技術・性能の定性的あるいは定量的な評価を行うことが比較的容易なためである。分類を元にアフターバーナの「世代分け」を行った上で、それぞれに振り分け、個別に解説を行うものとする。本稿における「世代」は便宜的なものであり、また、それぞれの世代で紹介する技術がそのアフターバーナの全てではなく、外観からは判別することができない非常に優れた技術も数多く採用されていることは予め承知されたい。
 尚、推力増強装置としてアフターバーナ、オーグメンタ、リヒート等各社呼び方があるが各々の趣味であり、本稿でも適宜趣味で使い分けるものとするが、何れも熱力学的な本質は変わらない(注:JIS呼称としては「アフターバーナ」である)。

 

◆アフターバーナの分類

 エンジン形式として「ターボジェット」及び「ターボファン」の2種で大別し、保炎方式(保炎器:フレームホルダ)として「環状」、「混合」及び「放射状」として分類する(第1回の中でターボファンには4種類あると紹介したが、ここでは個別で補足するものとしターボファンとして統一する)。これらを踏まえ、アフターバーナの技術世代と代表的な機種を以下のように定義する。

 第1世代:ターボジェット+環状フレームホルダ(例:J47、J58、J79等)
 第2世代:ターボファン+混合フレームホルダ(例:F100、F110、RD33等)
 第3世代:ターボファン+放射状フレームホルダ(例:EJ200、M88等)
 第3.5世代:ターボファン+放射状フレームホルダ+ステルス(例:F119)
 第4世代:ターボファン+統合フレームホルダ(例:F135)

 ※第3.5世代及び4世代については文献ベース、画像等からの解析、推察に基づくものであり、未だに世の中に公式資料として出ていないものであることから、技術的な確証はない。

 

◆第1世代「アフターバーナの実用化」

 第2次大戦中にドイツ、イギリスで生まれたジェットエンジンは戦後世界各国へ拡がりを見せた。各国で急速な研究開発が進められた結果、ジェット機は次々と超音速領域へ突入していくことになる。超音速への加速とその維持には大推力を発揮するエンジンは勿論のこと「アフターバーナ」は必須のものであった。ジェットエンジンこそ広く普及は始めていたが、アフターバーナは未だ研究段階であり、幅広く普及はしておらず、まさに「アフターバーナ黎明期」であった。第1世代はJ47(-17)に代表されるアフターバーナの実用化から、マッハ2級の傑作エンジンであるJ79(-17)の間のエンジンを指す。第1世代のアフターバーナの特徴は大きく以下の3つである。

 ・エンジンの系式はターボジェットエンジン
 ・保炎方式(フレームホルダ)は環状である
 ・アフターバーナの構成要素の模索と成熟

 J47では今日のアフターバーナでも活かされる基本的な技術が全て盛り込まれた(図1)。それはアフターバーナ燃料噴射器(弁)(スプレーバ)、点火器、フレームホルダ(保炎器)、インナーライナー、ダクト、可変排気ノズルであり、今日でもそれらはほぼ変わらない。前回述べたが、タービンを出た直後の高温ガスはマッハ0.5~0.8程度の高速流れであるため、先ずはディフューザ部において減速し、さらに再循環領域を発生させる保炎器によって連続した火炎を生成し、アフターバーナの燃焼が行われる。 

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図1 J47のアフターバーナ部

  

 燃焼と着火には燃料と酸化剤(空気)は勿論のこと、適切な混合比、温度、圧力、ガス速度、点火エネルギーが必要となる。ターボジェットエンジンはタービンから出たガス速度は高速であるが、ガスの温度は高く燃料が燃焼し易い状態にある。そのため、高温ガスを減速し、適切な再循環領域さえ生成することができれば保炎は比較的容易である。しかしながら、ジェット航空機は幅広い高度、幅広い速度域を飛行するため、エンジンの入口状態が変化することから、タービンを出るガスの状態量も幅広く変わる。さらに、アフターバーナの燃焼圧力により、タービン出口状態量も変化するため、ジェットエンジンの作動を安定させる目的とした「可変排気ノズル」は必須である(メカニズムについてはジェットエンジンの教科書を参考にされたい)。J47は上下二つのシェル型のノズルが閉じることによって、可変排気ノズルを実現したが、今日このシェル型ノズルは採用されていない。

 「再循環領域をつくりさえすれば保炎は容易である」とは述べたが、これを実現するためには「空力」と「燃焼」の両者を考慮する必要があり、設計は一筋縄ではいかず、適切な再循環領域をつくり、かつ、適切に混合された燃料を送り込む必要がある。燃料供給方式についてはアフターバーナの基本構成品であり、その方式は上流吹き出し型、内部吹き出し型等細かく分類されるが一般的にはスプレーバと呼ばれる燃料噴射器(弁)からジェット気流中に噴射され微粒化、ガス化、混合がなされる。スプレーバの燃料孔はジェットの気流に対して垂直に開いているものが多く、燃料の噴射速度とジェット速度の関係によって、実験的に噴霧パターンを確認する。専門的には燃料の「貫通距離」と「粒径分布」としてデータ取得することで噴霧性能を取得する(図2)。

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図2 アフターバーナ部の燃料噴霧の模式図  

  

 再循環領域を生成するフレームホルダーが重要になるダクト断面積に占めるフレームホルダーの面積の比を一般に「ブロッケージ比」というが、数々の実験によりブロッケージ比に対する保炎安定性に関する設計データが得られ、これらを参考に基本的な設計を行う。空力的にはブロッケージ比ゼロが損失もなく望ましい一方、再循環領域を生成するためには、なるべく多くの領域で再循環領域を生み出すフレームホルダ(保炎器)を備えることが望ましい。そのために第1世代のアフターバーナでは「連続的な環状」が主にフレームホルダに採用されることが多く、特に燃焼安定性の研究を主眼に様々な形状のフレームホルダの試験が行われた(図3)。

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図3 NACAにおいて行われた研究の一例

 

 数多くの模索の結果、第1世代の完成形であるJ79が完成する(図4)。アフターバーナのダクトを冷却するためのインナーライナーの形状がJ47の単純な形状から波状になり、かつ、複雑な冷却孔が採用されアフターバーナそのものの温度上昇、冷却効率の向上していることが推察される。アフターバーナは一般的には燃焼温度を上昇させる程、推力を発生することができ、冷却効率を向上させる程より多くの未燃の空気を燃やすことができ、同じく性能が向上する。フレームホルダは半径方向(3つの環を接続するストラット)にも再循環領域を生成するV字(or U字)ストラットが追加され、それぞれの環の間の火炎の伝播に寄与し、火炎安定性を高めている。

 またJ79では着火方式として「トーチバーナ方式」が採用されているが、フレームホルダ直前またはフレームホルダ中にトーチバーナを設け、火花点火器によってトーチバーナを点火し、その火炎によりアフターバーナを点火させる。トーチバーナは後述する火花点火方式、パイロットバーナ方式に比べて着火の信頼性が高いが、高速の気流中に比較的大きな障害物を設置することになるため、圧力損失が発生する。 

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図4 J79アフターバーナ部  

 

 第1世代のアフターバーナはターボジェットエンジンのアフターバーナを中心に、基本要素の模索から安定したアフターバーナへの成熟期であった。

 

◆第2世代「ターボファンエンジンの登場」

 世の中にターボジェットエンジンが普及した頃、ターボファンエンジンが登場する。ターボファンエンジンはターボジェットエンジンの発明と時期を近くして構想されたがターボジェットに比べて構造が複雑であり、ターボジェットエンジンの登場から遅れること20余年であった。Rolls-Royceの「コンウェイ」を始めGeneral Electric「TF34」等次々にターボファンエンジンが生まれ、現在主流の形式となっている。ターボジェットエンジンは航空機の飛行速度に対して過剰なジェット速度を排出しており、特に民間機においては騒音も大きく、無駄の多いものであった。軍用機においても徐々に燃料消費率の低減を目的としたターボファンエンジンが登場するようになり、高速の戦闘機においてはバイパス比の小さい低バイパス比ターボファンエンジンが多く採用されるようになった。ターボファンエンジンはターボジェットエンジンと異なり、燃焼器を通過しない比較的低温、低圧のファン流(バイパス流)が存在することから、アフターバーナの作動にとっては不利な状況となる。第2世代はF100、F110エンジンを始めとした低バイパス比ターボファンエンジンへのアフターバーナの適用と実用化までを指す。第2世代のアフターバーナの特徴は大きく以下の3つである。

 ・エンジンの系式はターボファンエンジン(戦闘機に限っては低バイパス比)
 ・保炎方式は環状または混合である
 ・ファン流とコア流の混合方法の模索と成熟 

 Pratt & Whitney「F100」及びGenearl Electric「F110」にはいくつかの型があるが、ここでは先ず例としてF100-220/220E/-229(図5、6)、F110では-129を載せる。

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図5 F100-PW/IHI-220E  アフターバーナ部

 

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図6 F100-PW-229  アフターバーナ部

 

 F100エンジンはターボファンエンジンのうちターボファンミクスドフローであり、アフターバーナ部に入る直前でコア流とバイパス流が合わさりアフターバーナ部に入る。F100エンジンではアフターバーナの着火には-220Eでは「パイロットバーナ方式」、-229では「火花点火方式」を採用しており、前者は極小の循環領域をつくり、燃料に着火させ全体に火炎を伝播させる方式であり、後者は再循環領域の中に火花点火器を設置し着火させる方式である。何れの方式もJ79の項で述べた「トーチバーナ方式」に比べて圧力損失は小さいものの、火花点火器が主流のジェットに晒されるため、耐久性に難点がある。何れの方式においても先ず比較的着火しやすいコア流に着火させ、その後、コア流のアフターバーナを利用し、スロットル開度に応じたアフターバーナ燃料を徐々に追加していく(スロットルレベルについては割愛する)(図7から9)。最大アフターバーナ推力では比較的低温であるバイパス側スプレーバからも最大流量の燃料が供給される。

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図7 アフターバーナ着火直後(イメージ)  

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図8 ミニマム・アフターバーナ  (MINAB)

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図9 最大アフターバーナ(MAXAB)  

 

 ターボファンセパレーテッドフローであるF110エンジン(図10)では低温・低圧のファン流を効率良く燃焼させるように複雑な形状の「プリミキサー機構」がある。これは高温のコア流れと低温のバイパス流れを互い違いに導入・混合することで温度と圧力を適度に調整しアフターバーナの着火性を高めるものである。ターボファン形式が登場した頃からGeneral Electricが研究を熱心に進めていたものであり、特にエンジン入口の状態量がアフターバーナの作動にとって最も厳しくなる高空低マッハ領域(即ち高空における戦闘行動)において燃焼安定性を高めることを目的としている。F110-129でプリミキサーを含めたアフターバーナは完成形になってるように思われる。

 GEではF110-129やF101(図11)等アフターバーナの着火には伝統的に「トーチバーナ方式(またはトーチイグナイタと呼称)」を採用する傾向があるが、これはJ79の項で述べたように多少の圧力損失には目をつむっても高い着火信頼性を追求した結果であると思われる。

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図10 F110-GE/IHI-129  アフターバーナ部

 

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図11 F101-GE-100 アフターバーナ部

 

◆第3世代「より優れたアフターバーナを求めて」

 第2世代アフターバーナまでの開発において戦闘機に必要なアフターバーナは一見完成したかのように思われる。実際F-15F-16F/A-18等は第2世代アフターバーナまでに分類され、今日でも現役として最前線で運用されている。しかしながら、更なる性能向上の研究は日々続いており、冒頭でも述べたアフターバーナの性能の指標のうち、特に空力要素である「圧力損失が小さいこと」と燃焼要素である「安定して燃焼すること」の互いに相反する要求を高い次元で両立させる努力が続いている。例えば、圧力損失を小さくすると燃焼が不安定になり、一方で圧力損失(=再循環領域)を大きくすると燃焼は、容易になるが損失が大きくなりアフターバーナを含むエンジンの性能は低下する。第3世のアフターバーナはこれらの相反する要求を第2世代からさらに高い次元で両立させ、エンジン性能のさらなる向上を狙った機種を指す。これらの技術が適用されている航空機は比較的新しい機体が多く、F-15E、ユーロファイター、ラファール等がある。第3世代のアフターバーナはEJ200(ユーロファイター)に代表されるアフターバーナ部の空力要素の洗練と燃焼安定性の両立が特徴であり、その特徴は大きく以下の3つである。

 ・エンジンの系式は第2世代と同様のターボファンエンジン
 ・保炎方式は放射状である
 ・点火装置と燃料供給装置の性能向上 

 先ず、改めてF100-220E(図12)と後発であるF100-229(図13)を見比べる。

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図12 F100-220E  

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図13 F100-229

 これら2種類を見比べると、-220Eでは放射状のフレームホルダの本数が減り、環状部分のフレームホルダがやや太くなっていることが確認できる。また-220Eではパイロットバーナ点火器であった点火装置が-229ではフレームホルダに組み込まれる形の「火花点火方式」の点火器となっている。高速流体の中で大きな損失を発生させている地点は環状部と放射状部のクロスポイントであり、これを低減することで圧力損失を低下させつつ、パイロットバーナ部の圧力損失を低下させていることが推察される。アフターバーナ部における圧力損失の大部分はこのフレームホルダにおいて発生しており、混合型フレームホルダでは約5%程度の圧力損失が発生している。

 このような理由から研究開発が進みにつれ混合フレームホルダから放射状フレームホルダに進化した。ユーロファイターに搭載されているEerojet社のEJ200はその最も好例である(図14)。EJ200はアフターバーナにおける工夫のみならず、エンジン全体で高性能化を図っており、同推力レベルのエンジンでは群を抜いて高い推力重量比を実現し、ユーロファイターの高性能を支えている。

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図14 EJ200  アフターバーナ部

 

 放射状フレームホルダを採用することにより圧力損失は低下するが、フレームホルダにおいて必要な循環領域を成立させることが困難になることに加え、環状フレームホルダと異なり再循環領域がフレームホルダ毎に独立しているため、火炎伝播性(フレームホルダ間の火の移り、保炎性に直結する)も低下してしまう。そのため、テールコーン近傍まで放射状フレームホルダを延伸し、テールコーンと放射状フレームホルダの間に発生する再循環領域を活用してフレームホルダ間の火炎伝播を実現しているものと推察される。また、EJ200ではアフターバーナに点火する点火装置が見受けられないが、EJ200では「ホットストリーク方式」という特殊な点火方式を採用している。これは主燃焼器内部にアフターバーナ点火用の燃料を噴射し、やや不完全燃焼気味の火炎をタービンを通過させ、フレームホルダを直接点火する方式である。この点火方式はアフターバーナ近傍に専用の点火装置を備える必要がなく、圧力損失の面では有利となるが、タービンに対して多少のダメージを与えることになる。

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図15 M88-2  アフターバーナ部  

 

 ラファールに搭載されているSnecma社のM88-2エンジンもEJ200エンジンとほぼ共通しているが、EJ200に比べるとフレームホルダがさらに少ないことがわかる。M88エンジンではホットストリーク方式による点火ではなく各フレームホルダの付け根にパイロットスプレーバ/火花点火方式の点火器をそれぞれ備えている。またEJ200と同様にテールコーンにフレームホルダの前縁を近接させることで、フレームホルダ先端における火炎伝播性を高めているものと推察される。

 またGEのF110-129の性能向上型であるF110-132(図16)でも混合フレームホルダ及びトーチイグナイタを廃したものが研究されており、第3世代の特徴である放射状フレームホルダを備えるとともに、トーチイグナイタ(イグナイター・カンと呼称)を廃し、圧力損失を低減させ、エンジンの性能向上を実現している。

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図16 F110-129と-132の比較  

 

  文が長くなったため、第3.5世代、第4世代については次回に続く。

 

参考文献

 インターネット航空雑誌ヒコーキジャーナル

 Gordon C. Oates, "Aerothermodynamics of Aircraft Gas Turbine Engines", ASIN B000J4UG8 , 1978

 Ralph E. Grey et al, "ALTITUDE INVESTIGATION OF 16 FLAME-HOLDER AND FUEL-SYSTEM CONFIGURATIONS IN TAIL-PIPE BURNER", NACA RM E51E03 , 1951

 R.G.Laucher, "AFTERBURNER FOR TURBOJET ENGINES AND THE LIKE", US patent 3377804 , 1953

 J.D. Wright, "FLOW MIXERS PARTICULARLY FOR GAS TURBINE ENGINE", US patent 3377804 , 1968

 J.M.Koshoffer, "MIXED FL0W AUGMENTOR PRE-MIXER", US patent 5117628 , 1992

イギリス旅行2017夏(後編)

前記事の後半です。

◆8/16(水)王立空軍博物館コスフォード(Royal Airforce Museum Cosford)

 オックスフォードから車を北西へ走らせること2時間、コスフォードの王立空軍博物館に向かう。本日はこの旅行で最もボリュームがあると予想される博物館である。予定通り開館直前に到着し入館する。入館して早速TSR-2を目の前にして1時間が消える(図1)。コスフォードのTSR-2はウェポンベイは閉じてるものの、エアブレーキやエンジンバイパスドア、アビオニクスドアが解放されていることからダックスフォードと比べるととてもよくわかる。またタイヤのカットモデルやエンジン単体、リヒートユニットが広々と展示されていていろんな興味を満たせる見せ方も非常にグッド(図2)。XR220もXR229も実際には飛行をすることなく、TSR-2の開発計画中止によって終了した航空機であり、少しさびしい感じもした。TSR-2の書籍については和書ならばいさく先生が執筆された記事あたりを読むと良いと思う。技術的なところについては洋書やFact sheetで数多く出ている。

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図1 TSR-2(XR220)

 

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図2 ブリストル・シドレー「リヒートユニット」

(エンジン本体ではない)

 

 さらに奥のハンガーに進むといよいよ大戦機コーナーである。一〇〇式司偵と五式戦闘機の実機を目の前にして、流麗な姿一〇〇式司偵(図3)と世界にここだけにしかない五式戦闘機(図4)を目の前にしてまたぐるぐるするだけの生き物になる。イギリスのミリタリーオタクが五式戦について解説していたが、その開発経緯やら機能等をすごく的確に説明していてすごいと思った。別のハンガーには垂直吊りされたLightningやらヴィクターやら英国航空界の全てが詰まってる感じがした。ところでVシリーズのナショナルマークが淡い青なのはどうやら核攻撃の際の熱輻射による吸熱を抑えるために淡い色になっている(図5)ようでTSR-2の機体の白色カラーもテスターカラーではなくデフォルトのカラーのようである。一日中ぐるぐるしてあっという間に楽しい一日が終わり、オックスフォードに帰る。この日は、ぶらぶらとしつつエスニック料理屋で久しぶりの米に感謝しつつ乾杯。 

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図3 一〇〇式司偵

 

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図4 五式戦闘機(キ100)

 

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図5 熱輻射用の国籍マーク 

 

RAF Cosfordにおける備忘録

・ロンドンと同じように駐車料金がかかる
・コインロッカーはない
・車が最も楽なアクセスであるが、近くまで鉄道(最寄駅Cosford駅)が走っており、その交通手段でアクセスしている人もちらほらといた
・お土産コーナーはホールではなく、ハンガーの中に大きなところがある。ロンドンより小さめ

◆8/17(木)ボービントン戦車博物館(The Tank Museum)とFosse Farmhouse(アリス家のモデル)

 この日は一度は行ってみたかったボービントン戦車博物館と、その夜はFosse Farmhouseに宿泊という強行作戦である。ボービントン戦車博物館はドイツのムンスター戦車博物館、ロシアのクビンカ戦車博物館と並ぶ戦車道の聖地である。オックスフォードから車で南に走ること二時間半、イギリス南部の片田舎ボービントンに向かう。因みにこの日はイギリス運転デビューで襲い掛かるラウンドアバウトに助手席のフォローを受けつつなんとか行程をクリアする。今度はチーフテン戦車とチャレンジャー戦車に出迎えられつつボービントン戦車博物館に到着。駐車場は無料であるが、パンフ込の入場料がかかる。イギリスらしくMk.戦車に出迎えれつつ、クルセイダー、センチュリオン、その他各国の有名戦車が所狭しと並んでいる。ボービントンの代名詞であるVehicle Conservation Centreでレストア待ちのために保管されている車両群は壮観である(図6)。実際にセンチュリオンの断面展示(図7)やティーガーを見るとその大きさにおののく。ティーガー1、ティーガー2、エレファント、ヤークトティーガーシュトゥルムティーガー(の砲身)がずらりと並ぶTHE TIGER COLLECTIONには特に人だかりだった(図8)。今回はボービントンに車で訪れたが、その他の交通手段としては最寄駅まで電車で行き、そこから乗合タクシーに乗って辿り着くというものがあるようであるが、少し難易度高そうである。

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図6 Vehicle Conservation Centre

  

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図7 センチュリオンの断面展示 

 

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図8 ティーガーⅠ 

 

 さて、18時にFosse Farmhouseへのチェックインを伝えていたので消化不良気味ながらボービントンを後にする。Fosse Farmhouseは「きんいろモザイク」のアリス・カータレットの実家のモデルとして有名であるが、ボービントンから車で1時間半のコッツウォルズ地方にある。このイギリス旅行を企画するにあたり当初きんいろモザイクはオプショナルで考えていたが「コッツウォルズ地方には行くべき」という強い勧めもあり、調べているとどうやらFosse Farmhouseに宿泊できるということを知り、手配を進める。Fosse Farmhouseは日本語サイトもあるようであるが、私の拙い英語でも意図をくみ取ってくれて無事にアリスの部屋を予約ができた。予約の段階からアリスの部屋(The Pink Room - Alice's bedroom:)、シノの部屋(The Pine Room - Shino's bedroom)って説明されて困惑しつつも満足。アリスの部屋がベッドが2つ、シノの部屋がダブルベッドがひとつ。イギリスは1部屋あたりで○○£という支払であるが何れの部屋も朝食付きで140£、夕食のコースが1人あたり35£である。3名の場合はエクストラベッド(1名分40£)を出してくれるようであり人数を説明して予約をとれる。

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図9 宿泊したFosse Farmhouse

 

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図10 宿泊したアリスの部屋ことThe Pink Room 

 

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図9 シノの部屋ことThe Pine Room 

 

 オーナーのCaronさんはとても気さくな方で、アニメのシーンと合わせてお部屋を紹介してくれたり、声優さんやアニメスタッフが来た話をしてくれた。きんモザ以外にも元々Fosse Farmhouseはかなり格式あるB&B(宿)らしく、日本の皇室も宿泊に訪れたこともあるようであり、Caronさんの若かりし頃の話を含めていろいろとお話を伺った。また、宿の談話室にはきんモザ関連書籍がやグッズが山のように積まれ、撮影禁止の原作者様の直筆サイン色紙などが飾られていた。Fosse Farmhouseについてから部屋にはきんモザのBGMがずっと流れていて「ここがイギリスの片田舎か…」みたいなことを考えつつ、夕飯になる。どうやら我々のグループの他に日本人のオタクが1名来ているということでCaronさんの手作りの夜ご飯(図10)を一緒にしつつ、イギリスの片田舎で地ビールと美味しいご飯を頂きながら盛り上がる限界オタクになった。

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図10 手作りディナー 

 

ボービントン、Fosse Farmhouseにおける備忘録

・電車へのボービントンのアクセスは駅から乗合タクシーかバス。博物館をゆっくり見るには2日あった方が良い
・Caronさんの料理はプロ級なのでぜひとることをオススメする
きんモザ関連の寄付グッズはたくさんあるので持っていく場合は事前に聞いた方がいいかも
・Caronさんの別れの挨拶を理解するのに30秒程時間がかかったので訪れる前に予習すること

 

◆8/18(金)きんいろモザイク聖地巡礼

 朝起きて前評判で聞いていたCastle Combeの素敵な朝(図11)を散歩しつつ、朝ごはんを戴く。その後、Caronさんにアリスパパカーを紹介してもらったり、聖地巡礼ノートに記帳した。ノートは声優さんやアニメスタッフの直筆メッセージやイラストが残されたノートであり、一緒に書くなんて畏れ多かったがせっかくなので書いた。その後は忍が降り立ったKemble駅(図12)から、アリスと忍が遊びに出かけたCirencesterの街(図13)、そしてカレンとアリスの思い出のBibury(図14)と例の電話ボックスを散策した(図15)。そんなこんなでレンタカーを返す時間となり、楽しい旅行もほぼ終わる。最終日の夜はイギリスといえばベイカー通りに行きたかったこともあり、シャーロック・ホームズ博物館の近くの日本食レストランでかつ丼を食べる。花金だったことから日本人のお客さんも多かった。かつ丼は良い思い出になった。

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図11 Castle Combeの素敵な朝

 

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図12 Kemble駅

 

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図13 Cirencester

 

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図14 Biburyの街並み

 

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図15 エンディングの一場面

 

コッツウォルズ地方における備忘録

・サイレンセスターに車で行く場合はそれなりに駐車場はあるが、街中なのでいくつか調べておいた方が良い
・バイベリーは小さな町であるが、観光客が多く、駐車場に悩む。路上駐車禁止以外の場所を探すのに苦労する
・トイレは有料のトイレしかない(見つからなかった)
・ケンブル駅は駅の有料駐車場に駐車する。十分なスペースがある。

 

 最終日はパディントン駅近くのホテルをとり、のんびりと朝を迎え、ヒースローコネクトで空港へ向かう。あっという間の夏休みだったけど思い出深いものになったように思う。次はロシアかドイツあたりに行きたい。最後にこんな偏った旅行に付き合ってくれたいけちさん、さらに家に転がり込ませてもらったひじょうぐち君には感謝申し上げたい。

イギリス旅行2017夏(前編)

 アメリカは行ったので次はぼんやりと英国かな、と思ってたところで旅程は夏休みを合わせて8/12~20に時間を合わせて@aoa30さん、@hijouguchiくん(英国在住)と行ってきた。

 

◆旅行の目的

 今回の旅行の目的は下記のとおりである。

A380に乗ること
・ロンドン上空遊覧飛行すること
TSR-2を見ること(暗黒面英国面に触れることを含む)
・100式司偵と5式戦闘機を見ること
・タンクミュージアムに行くこと
・イギリス英語を堪能すること
・アリス(きんいろモザイク)の実家にホームステイすること

 

 これらを踏まえて行程を考えたのだが皆の都合のつく夏休みは1週間しかないことから、旅程は下記のとおりとなり、バッキンガム宮殿も大英博物館ストーンヘンジもロンドン橋も無視する日程となった。大英帝国、女王陛下ごめんなさい。

1日目 移動 成田→スワンナプーム(タイ)→ヒースロー(英国)
2日目 ヒースロー→ダックスフォード帝国戦争博物館
3日目 ダックスフォード帝国戦争博物館
4日目 王立空軍博物館ロンドン
5日目 王立空軍博物館コスフォード
6日目 ボービントン戦車博物館
7日目 きんいろモザイクホームステイ&聖地巡礼
8日目 移動 ヒースロー(英国)→スワンナプーム(タイ)→成田

 

◆8/12(土)移動

 念願のA380に乗るためだけに今回の旅行にはタイ国際航空A380を選択した。でかい(図1)。こういう飛行機は乗れるうちに乗らないといけない。前情報どおり最も快適と評判の2階デッキ席の窓側2列シートをとる。成田からスワンナプームが約6時間、スワンナプームで3時間休んで、その後スワンナプームからヒースローが10時間。わかってはいたが長い、タイ国際航空で出る機内食はどれも非常においしく、タイに単発で行く興味もわく。

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図1 A380B787 

 

◆8/13(日)ダックスフォード帝国戦争博物館(Imperial War Museum Duxford)

 1日目の移動と時差を乗り越えて現地時間2日目早朝にヒースロー空港に到着する。空港からロンドンに出る方法はいくつかあるが、本日の目的地はケンブリッジであるのでピカデリーラインに乗って、サザン・クロス駅経由でケンブリッジを目指す。英国の電車は直前までホームの番号が確定しないことから、駅の電光掲示板に示された時点で行動を起こす。またチケットについても適当にA-Z検索で購入できるが、曜日や時間帯によっていろいろ割引があり、未だに区別がわからずついてはもう少し勉強する必要がある。また、サザン・クロス駅からケンブリッジ方面に行く電車はいくつかあることから、到着時間もよく確認すること(快速と各停の違い)

 ケンブリッジ駅(図2)に到着後、駅前のホテルに荷物をパージしてダックスフォード帝国戦争博物館を目指す。駅から博物館は割と離れており、交通手段としてはバスかタクシーしかない。バスは日曜日のみしか運航しておらず、それ以外の交通手段はタクシー一択になるようである。バスは前払いで乗車して運転手に「○○に行きたい」と言えばその場で清算してくれる。大体定刻通り。

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図2 ケンブリッジ駅前

 
 入口のハリケーンに出迎えられてダックスフォード帝国戦争博物館についたが、本日の目的はClassic Wingsのde Havilland Dragon Rapideによるロンドン遊覧飛行である。お値段は200£程で90分。その他に30分、60分とコースがあるようであったが今回はせっかくだし、ロンドン遊覧飛行のために満場一致で200£コースとした(図3)。体重が「相対的に重い」自分は機体の重心付近に配置されたが「軽量な」同行者らはパイロット後部に座れて少し羨ましかった。が、そのような配置も離陸後すぐに気にならなくなりふわふわと30分をかけてロンドン上空へ、有名どころをぐるりふわりとまわる(図4)。着陸時にはB-17が離陸していたが、どうもこのあたりで時差ボケやら疲労で急に気分が悪くなる。結構揺れるので乗り物に弱い人は酔い止めあると良い。

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図3 搭乗したDragon Rapide

 

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図4 Dragon Rapideでロンドン上空をゆらゆら

テムズ川とロンドン橋)

 

 着陸後3人で飛行機の前で集合写真を撮ってもらい満足。ちなみにこのダックスフォード帝国戦争博物館ではスピットファイアの体験搭乗(複座型)もやっており、30分で2000£くらいだった。帰りも往路と同様にバスにて駅前に戻る。英国旅行で最高の滑り出しでクタクタで博物館から引き上げ町中のパブでビールで乾杯しリブステーキ。

 

◆8/14(月)ダックスフォード帝国戦争博物館(Imperial War Museum Duxford)

 この日もIWM Duxfordに向かった。ロンドン遊覧飛行がメインだった前日に対して、この日は博物館の展示をじっくりと見て回る。ホテルに荷物を預けてバスは無いため駅からタクシーで向かう。開館とほぼ同時に入館し、トライデントミサイルに出迎えられつつ、本旅行の目的の一つであるTSR-2の周りをぐるぐるするだけの生き物となる(図5)。のびのびとした胴体、インテーク、エンジン、超音速で侵攻し核攻撃を行うお手本のような設計についていろいろと意見を述べつつ写真をばしゃばしゃ撮る。が、興奮しすぎてカメラを落としてしまい、測光機能を喪失。どうしても長距離の旅行に行くと何か大事なものを壊してしまうようである。

 うなだれつつもコンコルド試験機(防氷やアビオ、エンジン試験)、Avro Vulcan(図6)やLightning(図7)など英国面の一端に触れてしまい、動揺する。ここには唯一アメリカ以外に展示されるSR-71もいるのだが、アメリカで堪能したせいか見向きもしなかった。このDuxfordは航空機のみならずLnadWarfareの棟がまるまるひとつあり、1/1ジオラマが広がっており、陸もの好きと行くとここだけで1日終わる気がする。結局終日閉館時間までぐるぐるとまわり、ケンブリッジ駅へ。その後、翌日の王立空軍博物館ロンドンに行くためロンドンへ移動する。

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図5 TSR-2(XR222)

 

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図6 アブロ・ヴァルカン

 

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図7 ライト二ング(頭おかしい)

 

IWM Duxfordにおける備忘録

ケンブリッジ駅からIWM Duxfordへはバスかタクシー。バスは日曜のみしかない。
ケンブリッジ駅周辺にも博物館にもコインロッカーはなく、駅前のibisホテルに宿泊すればチェックアウト後も荷物を預かってくれる。
・LandWarfareは鬼門。かなり時間を取られる。
・駅へのタクシーはIWM Duxford受付のお兄ちゃんがオーキードーキーと言いつつ呼んでくれた。
・電車の時間帯割引については事前によく把握すること。わからなければ一番高いやつを買えばいい。

 

◆8/15(火)王立空軍博物館ロンドン(Royal Airforce Museum London)

  冒頭に述べたとおり、この旅行に一般的な英国旅行がないので朝早起きしてテムズ川の湖畔でモーニングを食べつつ、ヴェルファスト記念艦やロンドンブリッジやセントポール大聖堂を見る(図8)。「大英博物館もバッキンガム宮殿も行きません」と言ったら職場の人がドン引きしていたがあまり気にしない。空から見たし、いいよね。またゆっくり行く。

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図8 セント・ポール大聖堂

 

 朝ごはんを食べて本題に戻る。旅行の計画を立てるにあたり「日本の免許で英国で運転できる」ことがわかり、いろいろ面倒になったことと、自由度の観点から本日からレンタカーで行動とする。英国はアメリカと違ってウィンカーとワイパーのみが異なる他はほとんどの車がマニュアル車であることであったが、日本人の客層も多いレンタカー屋ではオートマ車の手配もあり、今回はオートマ車を借りることにした。1週間で300£くらい。英国といえばラウンドアバウトというくらいラウンドアバウトだが、日本ではほとんどお目にかからないラウンドアバウト、助手席のサポートが必須だった。ラウンドアバウトもそうであるが、英国は基本的に他人に迷惑かけないようであれば「ウィンカーはつけない」ことも学ぶ。合理的。

 初回はいけちさんが運転することとなり、ロンドン郊外の空軍博物館に向かう。が、一部改修されていることと、昨日まではしゃぎすぎて刺激を受けすぎたせいでIWMで強烈な刺激を受けすぎたせいで、だらだらと見て回るだけで終わる。スッピトファイアも各シリーズもいたけどいまいち盛り上がらず、ひとやすみ。

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図8 RAF London

 

 この日はオックスフォードにあるhijouguchi家にお世話になり、夕飯はイングリッシュパブに行き念願のフィッシュ&チップスを食べた。イギリス英語を楽しむ目的でイギリスのパブで「お姉さんのオススメをひとつ」みたいなことをずっとやりたかったので実践しておいしいビールが出てきた。大変満足。

RAF Londonにおける備忘録

・駐車場は有料なので必ずパーキングチケットを買うこと(駐禁切られた)
・駐車場には開館前には入れてくれなかった
・改装していることがあるので事前に情報はよく確認すること(2018年にリニューアルオープンらしい)
・お土産コーナーで古い雑誌や、日本で買うと非常に高額の雑誌が売っているので時間があれば確認すること。いいことある。

 

つづく。

インテーク技術(F-16編)

F-2についている謎の棒」がちょっと話題になったのでF-2の空力的原型のF-16のインテークについてまとめる。

 

F-16に求められたもの

 F-16は世界中で幅広く運用され戦闘機としてはベストセラーの部類に入る。そのプロトタイプとしてYF-16の開発は1960年代より開始されたが、それを始めとしたLWF(軽戦闘機)については多くの書籍や報告書があることから本記事ではインテークのみについてまとめる。F-16の開発にあたり、その機体に要求されたものは、下記のとおりである。

亜音速遷音速(マッハ1.6)における優れた優位性
・マッハ2への一時的な加速能力
・軽量であり、かつ、コストに優れること
・高G性能及び高α性能に優れ、かつ、優れた総圧回復率を有すること

 

 機体空力設計陣はこれらの要求を踏まえ、機体のパフォーマンスを決定づける推進系統の要求を下記のように考えた。

・幅広い飛行領域で優れた総圧回復率を有し、かつ、スピレージ抵抗を極限に抑える
・マッハ2への加速能力を有する
・性能を満足した上で最小限の重量を実現し、低価格につなげる
・重量及びコストの観点から可能な限り簡素なシステムにすると同時に高信頼性を確保する
・高G及び高α時のディストーション耐性を有する

 

 総圧回復率とは機体がインテーク(インレット)からエンジンに導かれる間において速度を低下させ圧力を回復させる効率の指標であり、高い総圧力回復率である程、優れたインテーク性能となる。スピレージ抵抗とはインテークが吸い込む空気と、エンジンが必要とする空気のミスマッチからインテークの縁において空気を吸い込めずあふれる(スピレージ)ことにより発生する損失のことである。
 マッハ2への加速能力を考慮する上では、衝撃波の影響、総圧回復率、インテークがどれほどの空気を吸い込めるかという検討をせねばならず、マッハ2への加速能力を有するとは亜音速遷音速(マッハ1.6)の性能を下げることになりかねないものとなる。特に超音速の航空機では高いマッハ数まで飛行可能であるようにインテークに可変機構を設けているものや、衝撃波をうまく処理するためのスパイクといった空力デバイスが設けられることが多い。しかしながら、これらの採用は重量及びコストが増加すると共に、可動機構により機械的な不具合等の可能性が増加し、信頼性が低下する問題がある。
 高G及び高α性に優れるとは、戦闘機は格闘戦等を行う際に機首を上げたり、横滑りを起こすが、その際、インテークには機体そのものの進行方向からずれてインテークに空気が入ってくる。インレットに入った際のこの空気の分布(圧力の分布)を圧力ディストーション(または単にディストーション)と呼び、エンジンの作動に悪影響を与えることが知られている。高G性能及び高α性能に優れるとは、このディストーションをいかに抑えつつ、かつ、ディストーションに対して強いエンジンをつくるかがキモとなる。

 

F-16(YF-16)のインテーク

 それではF-16(YF-16)がこれらの課題についてどのよう工夫を行ったかについて述べる。図1はYF-16に採用されているインテーク周辺技術である。(写真は試作1号機)

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図1 YF-16のインテークの特徴(F-16もほぼ同様)

  

①ノーマルショックインテーク(NSI)を採用
 超音速インテークの圧力回復方法には外部圧縮法、内部圧縮法、混合圧縮法があるがF-16のそれは外部圧縮法(ただし積極的に圧縮してる訳ではない)を採用しており、超音速飛行時には機首等で発生した衝撃波は複数回の外部圧縮が行われインテーク入口のマッハ数は0.7~0.8となっている。つまり、インテークからエンジンまでのダクト間は亜音速ディフューザとなっており、全域に渡って亜音速、圧力は上昇傾向にある。これにより複雑な可変機構を有することなく、軽量化及び低コスト化を実現し、高い信頼性も併せ持つ。

②高L/Dダクトの採用
 デュフューザ効果を効率的に行なうため、可能な限り穏やかに通過断面積を増加させ、乱流の発生、剥離の発生を抑制し、高い圧力回復率を実現している(図2)。インテーク入口(スロート)からエンジン入口までの距離とエンジン入口直径の比は約5.4も取られている。

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図2 高L/Dダクトとマッハ数・面積分

 

③胴体下部インテーク(アンダーインテーク:Under belly intake)
 胴体の下部にインテークを配置することで、幅広い機体姿勢エンベロープのαとβに対して一様流を得ることができるとともに、「機体シールド効果」によりαに対して優れたメリットがある。

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図3 インテーク配置の違いによる局所αの変化

  

 図3は3つの異なるマッハ数に対してノーズインテーク、サイドインテークとアンダーインテークの機体の迎え角αとインテーク入口の局所αを比較したものであるが、アンダーインテークは機首の流れの影響により機体のαに対してインテークのそれは小さくなる(図4)、即ち相対的に小さなディストーションになることを表している。

 

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図4 アンダーインテークの定性的な流れ

 

④スプリッタープレート
 スプリッタープレートはインテークの縁から機首前方方向に向かって飛び出た片持ち構造の板(プレート)である。これにより胴体の境界層の剥離により発生した衝撃波及びスプリッタープレート先端で発生した衝撃波がインテークに影響を与えることを抑制し、インテークの作動を安定させ、高総圧回復率に寄与している。

⑤ダイバータ
 粘性を有する気体の中を物体が移動すると物体の表面からある程度の距離(極めて小さい)には速度の小さい「境界層」と呼ばれる流速分布が発生する。この境界層はエネルギーそのものが小さいことと、境界層の剥離により、衝撃波が発生する等、高速で移動する物体には悪影響を与える。そのため、航空機ではこの境界層が存在する領域あるいは境界層により影響を受けている領域に間を設けるダイバータと呼ばれる機構を採用している。近年ではステルス性の観点からインテークの形状を工夫し、境界層を抑制したダイバータレスインテーク(DSI)もある。

⑥インレットストラット
 エンジン制御用のセンサー、空力デバイスと認識されることが多いが、流線型をしたストラットであり、機体の構造物である。このインレットストラットの目的はインテークの変形を抑制することにある。インテーク~ダクトは軽量であり、一方で長い構造物であるため、ダクト内部の圧力回復、機体α等によって特にインテーク下部、ダクト下部が変形する可能性がある。この変形を抑制するために、インテーク上部構造物から、下部を支える形でインレットストラットを採用している。このインレットストラットは、インテークが亜音速ディフューザであることと、高L/Dダクトであることから、空力的な影響はなく、かつ、軽量で効果のある方法として採用された。我が国のF-2戦闘機にも同様のインレットストラットが存在するがその理由は同じである。

⑦ブラントリップ
 アンダーインテークの効果によりF-16のインテークは機体のαに対して相対的に小さなインテーク局所αを得ることができている。そのため、幅広いαに対応するためにインテーク下部の丸みを大きくする必要がなく(剥離が相対的に小さくすむため)、インテークサイズの最小化に寄与している。仮にサイドインテークの場合は、αに対して剥離が大きくなり、また、そのために必要な空気を得ることができないことからインテークとエンジンのミスマッチが発生し、スピレージ抵抗が増大する可能性もある。

⑧ガンポート配置
 アンダーインテークを採用することにより、ガンの発砲ガスをエンジンが吸い込む可能性がない。(エンジンが火気ガスを吸い込むと相対的に酸素が減り、性能が低下する)

⑨ノーズギア配置
 ノーズギアをインテークの後方に配置することにより、例えば地上滑走時の車輪による異物巻き上げを防止しFODを抑制している。

 

◆インテーク風洞試験

 これまでに述べた特徴を有するYF-16のインテークは13か月200回余の風洞試験が行われた。風洞試験は大きく3つのシリーズで行われた。先ずインテークと機首形状、ダイバータ幅、ブラントネス(ブラントリップの感度)の確認。次にこれらの結果から候補を絞り込み風洞試験、最後に実際に採用した機体形状の試験である。風洞試験は1971年末から開始され、僅か13か月でこれら3シリーズの試験を完了させ、その後1974年2月の公式初飛行という今では戦闘機開発としては非常に速いスピードで行われた。風洞試験の結果については参考文献[1]を参照されたい。

 

◆インテークの構造

 F-16のインテークでもう一つ面白い技術があるが、それはモジュール構造の採用である(図5、6)。F-16の設計陣は現在の要求はF100エンジンによるマッハ1.5級の戦闘機であるがエンジン性能のさらなる向上、より高速飛行の要求があった際に備えて、インテーク先端から約90インチをモジュール構造とした。これにより、インテークのキャプチャ面積・通過断面積を拡張することができ、約10%の空気流量の増加に対して、ダクトの一部分を交換することで対応できる。実際に、後年F100エンジンからF110エンジンに換装された際は設計陣の先見の明により、このモジュール構造を変更するのみで対応でき性能向上型に繋がった(図7)。因みにこのインテークモジュールの先端の部分にインレットストラットが装着されており、片持ち構造を解消していることがわかる。

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図5 モジュール構造

 

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図6 モジュール構造

 

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図7 F100用インテーク(上)、F110用インテーク(下)

 

◆まとめ

 F-16はその他のメーンコンポーネント、サブコンポーネントにも様々な工夫がなされており、世界的ベストセラーの戦闘機へと成長したが、インテークひとつとっても工夫が随所にみられることがわかる。F-16は現在もアップデートされつづけており、また、F-35の開発の際にはテストベット、サポート機になる等、初飛行から50年近く経ってもそのポテンシャルの高さを示している。ステルス、データリンク等の登場により戦闘の様相が変わったとはいえ、戦闘機の開発には明確な目標が必要であるように思う。

 最後に、F-2のインテークは機首形状とエンジンの性能向上により若干形状は違うものの、ほとんどF-16のそれを踏襲したデザインとなっている。

 

参考文献

 [1]J.E. Hawkins, "YF-16INLET DESIGN AND PERFORMANCE", AIAA Paper 74-1062, 1974

 H.J. Hillaker et al, "Design Concept and Rationale for YF-16", Lockheed Paper , 1972

 E.L. Goldsmith et al., "Practical Intake Aerodynamic Design", AIAA Education Series , 1993

美唄円形校舎探索(沼東小学校跡)

 前から気になっていた北海道は美唄市にある円形校舎(旧沼東小学校)に行ってきました。小学校までのアクセスが面倒であったので備忘メモ的なものを。

 

アクセス

 美唄市内の方から道道135号を東へ進み三菱美唄記念館まで進む(図1)。美唄国設スキー場(既に廃業)の隅っこに車を止め、地図を眺める。地図を見るに先に橋を渡ってしまうのも手だが民有地であるため、断念する。衛星写真をよくよく眺めると遠回りではあるが、端を渡らずに突き進むと森の奥に橋がある(図2)。図2中の黄色矢印図3から入る。

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図1 道道135号から三菱美唄記念館へ

 

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図2 アクセスを考える

 

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 図3 ここから入る

 

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 図4 図2中の橋を折り返したあたり

 

 想像はしていたが夏真っ盛り、当然やぶである。図4のようなやぶを突き進む。今回は非常に軽装で来てしまったが、長袖長ズボンはもちろんのこと、ぬかるんでいる箇所もあるため、軍手、長靴(ブーツ)は必須である。そんなこんなで円形校舎にたどり着く。森の中にひっそりと佇む校舎は素敵だった。昔の子供たちはどういう経路で通学していたのだろう…。

 円形校舎

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おまけ。羽幌炭鉱跡(図5、図6)とオトンルイ風力発電機群も見てきました。前回は夕暮れの曇り空だったのでこれこそ夏の北海道のような天候に恵まれてよかった。

羽幌炭鉱

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オトンルイ風力発電機群

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Wonder Festival 2017

 ワンフェス2017に出店しました。初のイベント参加ということもあり、経緯、当日の記録等をまとめようと思う。

 

製作の経緯

 博物館や資料館でロケットエンジンジェットエンジンの模型を時折みかけるが実は長いことそれが欲しかった。ウッドモデルやレシプロエンジンのキット、契約者モデルの情報はちらほらとあったが世の中に幅広く普及している模型は無いようであった。「無ければ作らなければならない」と久しぶりに創作意欲が湧いたのが昨年の11月末。

 

  

 どのエンジンをつくろうかといろいろと思案していたところ、友人らの希望もありロシアのRD-180に行きあたる(複数発エンジンってかっこいいよね)。ちょうど年が明け、2017年の目標のひとつをガレージキットの一大イベント「Wonder Festivalに参加する」ことにする。

 

 

 ここでRD-180ロケットエンジンについて簡単に説明すると、ロシア(ソ連)が開発した名作エンジンRD-170のエンジン数の4を半分の2にし、小型のロケットへの適用を目指したエンジンである。但し現時点ではロシアのロケットに搭載される予定はなくアメリカのロケットに供給されている。

 

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図1 エネルゴマシュ社に展示されるRD-180

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図2 RD-180正面図・側面図

 

製作開始

 さて、モデルをつくるためには先ずは情報収集を実施する必要がある。RD-180のスペック的な情報はある程度あるが、その寸法、細部仕様についての情報は限られていた。アトラスロケット(RD-180搭載)のユーザーズマニュアルや公式写真を元に形状や配管経路を割り出していった。また5月の連休にエネルゴマシュ社の展示室に実際に行かれた方(@Kei_Kei_Twi様)に写真提供を頂き、不明だったターボポンプ周りの取り回しに関する情報を入手し、原型データが完成した。寸法についてはディスプレイの観点から全高160mm程とし、ノンスケールとした。モデリングはCADソフトを用い、ほぼ全ての基礎部品をDMM 3Dプリントにてナイロン出力(一部アクリル)し、表面処理を行なう方針とした(図3)。また、複雑な一部原型とハメアイについては手仕上げを行った。表面処理にあたってはTuneD3のBASICキットで荒→細→ブルーとして処理を行った。

 

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 ナイロン焼結の原型は安価でありTuneD3で比較的きれいな表面になるものの、細部造型、曲面については圧倒的にアクリルが加工しやすく、大きな形状でなくかつ金銭的に余裕があればアクリルを強く推奨する(ナイロンは毛羽立ち、原型には不向き)。

 

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図3 原型が出そろいイメージを膨らませている様子

  

 シリコン原型がほぼ完成したところでシリコンを鋳込む。学生時代に少しレジンに触って以来10年ぶりぐらいの素人である。見よう見まね、取説に従い、シリコンをつくるもよくよく考えればヘッドと圧力損失からレジン注入経路、ガス抜き経路はしっかりデザインする必要があるが、早速失敗をする。しかたがなく、圧縮空気を使用し、加圧成型を行い、以降これがほぼ全ての複製の基準となる(図4)

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図4 重力注入(左) 加圧成型(右)

 

  原型を出力し、表面処理を行い、シリコン原型がほぼ完成したところでシリコンを鋳込む。学生時代に少しレジンに触って以来10年ぶりぐらいの素人である。見よう見まね、取説に従い、シリコンをつくるもよくよく考えればヘッドと圧力損失からレジン注入経路、ガス抜き経路はしっかりデザインする必要があるが、早速失敗をする。しかたがなく、圧縮空気を使用し、加圧成型を行い、以降これがほぼ全ての複製の基準となる。原型磨きとシリコン型取りを経て1号機の完成が7月21日、イベントの1週間前であった(図5)。この段階から製品用複製作業を行い、イベントに間に合ったキットは展示品を含め4セットのみであった(図6)。

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図5 完成展示品

 

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図6 販売パッケージ

 

  展示品の最後にディスプレイスタンドと銘版、デカールについて述べる。試作品のディスプレイスタンドは川合木工所のP-7を採用した(販売パッケージにはヒノキ削出を採用している)。川合木工所の飾り台はアガチスという木材を採用しており、密度は小さく、粘り気があることから加工は丁寧に行う必要があるが、問題は着色であった。エンジンモデルの台座は当初からレトロ感のある木材にしようと考えており、木材の着色としては先ずはウッドオイル&ニスが思い浮かび、早速施工を行った(図7)。表面処理が甘かったか、ニスの塗装がイマイチであり、いろいろ調べた結果、ブライワックスを使用することにした(図8)。このブライワックスは木目が美しく表現され、かつ、レトロな雰囲気に仕上がったことから試作品にはこれを採用することとした。

 

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図7 川合木工所P-7(下) ウッドオイル&ニス施工(上)

 

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図8 ウッドオイル&ニス施工(上) ブライワックス(下)

 

 銘版については飾り台をフライス盤でややザグリ、真鍮→透明シート→アクリルの構成として埋め込みを表現したが割合うまく行ったように思える。デカールについてはハイキューパーツのクリアデカールをセブンネットで印刷することとし、今回は原型の3D出力を除き、全て自作の運びとなった。銘版の白色、デカールの白色が表現できないことから、さらに量産する場合はデカールメーカへの外注を検討する。

 

当日の備忘録とか

 イベントは日曜日開催であり、土曜日から事前受付を行っていることを踏まえ土曜日入りとした。土曜日の1930まではスペースの設営、ディーラー受付を行い当日は0900までに入場した(0830頃には現地についた方が良いようである)。初参加にも関わらず誕生日席となり、緊張する中、当日を迎える。

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図9 ディーラースペース

 

 1000の開場拍手と共にWonder Festival2017夏が開幕。緊張で縮こまっていると早速お客様が手にとって戴き、それからも次々とスペースに来て戴き初参加の素人作品にも関わらず無事に完売しました(図10)。完売した後も「Twitterで見ました」とか「おもしろいですね」とかすごく興味を持って戴きいろんな方と交流でき、あっという間に閉会を迎えました。量産を希望される方が多く、こちらはこつこつと進めていますので、再販時には告知したいと思います。

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図10 完売しました(展示キットと共に)

 

 ニッチな産業にはすごくおもしろい反応をされて半年こつこつとやってきた疲れが一気に飛びとても楽しいイベントになりました。新作キットも検討しており、今後ともよろしくお願いします。